期限切れドメインの取得はSEO対策に有効か?
先日、弊社クライアントが過去に利用していたドメインが 他の業者に取得され、利用されているが、 対処をどうすれば良いかの相談を受けました。
※ドメインとは、弊社であれば「dreamhive.co.jp」という ウェブサイトやメールアドレスに使われる文字列のことです
取得の流れを確認したところ法的には問題ないのですが、 明らかにクライアントの業務内容と異なるサイト内容となっており、 間違ってアクセスした方にとっては意味がわからないであろう状態になっていました。
これではクライアントの信用失墜や機会損失にも繋がりかねません。
この様な問題が起こったときどのような対応をすべきか、 今回はその一つの解決例についてお話しします。
<<本コンテンツの対象となる方>>
・期限切れドメインの SEO に関する有用性を知りたい方
<<期限切れと移管との違い>>
有用かどうかのお話の前に、 まずはドメインはどのような管理がされているかについて確認してましょう。
ドメインはレジストリサービスという管理会社が管理しており、 その管理情報にはドメイン管理者の名前や、 法人ドメイン(.co.jp など)であれば法人の情報も登録する必要があります。 ※代行会社の話はここでは省きます
当然この情報はとても重要なものですから、 勝手に他社に持っていかれるような事は通常あり得ません。
ではどのような時に他社が利用可能になるかと言うと、 主に期限切れと移管後の2パターンです。
◎期限切れ
期限切れというのは、ドメインの登録料を支払い忘れたなどの原因で、 レジストリサービスがドメインを販売可能な状態にした状態を指します。
これは、一般の方が購入可能な状態です。
ただし、通常期限切れを起こしたドメインでも gTLD(.com,.net,.org など)であれば「買い戻し猶予期間」があり、 期限が切れたとしても1月~2ヶ月程度(条件によって変わる)の間であれば 再取得可能になり得ます。
最近では地域属性ドメイン(.jp)でも買い戻し可能なサービスを提供する レジストリサービスが存在します。
逆に言えば、買い戻し猶予期間を超えた場合には、 他の誰が取得してもなんら問題はありません。
◎移管後
移管というのは、古いドメインから新しいドメインに切り替える事を指します。
新しいドメインで運用を開始すれば、古いドメインは不要なので廃止します。
廃止したドメインは、期限切れの時と同じく買い戻し猶予期間 (凍結期間とも呼ぶ)を過ぎたタイミングで再取得可能な状態になります。 ※凍結期間は期限切れの場合よりも短い場合がほとんどです
期限切れであれ移管後であれば、 取得可能な状態のドメインは誰でもお金を出せば買えると言う事を 知っていただければと思います。
<<期限切れドメインとは>>
期限切れドメインは、オールドドメインや中古ドメインとも呼ばれ、 誰でも購入可能になった状態のドメインの事です。
過去どれだけ大きな会社であろうと、 インターネットの世界では再取得可能になったドメインは 誰でも購入できると言うわけですね。
<<では、なぜ他の会社のドメインを取得する業者がいるのか>>
ここで、そもそもなぜ自分の会社と関係無いドメインを取得するのかを 考えていただきたいのです。
実は、再取得可能なドメインの中には、 検索エンジンにとって有益なコンテンツが含まれていると 思われているものが存在します。
Google で言えばページランクが高い、などと表現されるものです。
このドメインを利用しているウェブサイトは、 有益なコンテンツを提供しているサイトと検索エンジンが判断するので、 検索結果に優先的に表示されるなどのメリットを持っているのです。
つまり、SEO 対策で重要な要素を最初から保持していると言うことです。
当然、短期的な SEO 対策には効果があります。
<<効果が短期的である理由>>
短期的と書いたのはなぜかと言うと、SEO 対策には様々な要素が絡むからです。
他サイトからの被リンク数はウェブサイトのコンテンツ(サイト構成)が 変われば当然減りますし、ページランクが高かった時のコンテンツと 新しい運営者が運用するコンテンツとが同じ可能性は少ないでしょう。
きちんと引き継げるのは運営年数ぐらいなものです。
ですので、長期的に見れば新しく取得したドメインを SEO 対策のためのみに利用するのはなかなか手間がかかるのです。
※裏技もありますが、公には書けません・・
<<再販売業者の存在>>
ここで、あなたがドメインの支払いを忘れてしまった場合を 考えてみましょう。
- 元のドメインは使えません。
- ウェブサイトも見られません。
- メールのやり取りもできません。
困りますよね?
ここで期限切れになったドメインを取得したいと考えるでしょう。
しかし、既に他の業者が取得してしまっていた場合、 レジストリサービスではなく、新しく取得した業者との交渉が必要です。
新しく取得した業者が必ずしも悪質であるとは言えませんが、 手続きなどの時間・費用はかなりかかりますし、 事実再販売を狙って取得する業者も存在します。
悪質な業者の場合は、プログラムによって自動的に期限切れドメインを 検索・取得しているので、人が手動で再取得することはまず無理でしょう。
<<今回行った対応>>
今回のクライアントは状況から業者の再販売目的の取得と考えられたため、 交渉は行わないことにしました。
検索エンジンへの報告、各サイトからの被リンク先の変更(新ドメインへ)、 前のドメイン名で登録されているサービスなどへの管理情報の変更を中心に 対応を行いました。
自サイトの内部 SEO 対策の結果を検索エンジンへ登録するなどの 作業も行います。
あとは、既存コンテンツと違う事によってページランクが下がること などを待つ状態です。
<<まとめ>>
今回のクライアントのケースは、
- クライアントが自分の意思でドメインを移管していないため 期限が切れたタイミングが正確にわからなかったことと、
- 元のレジストリサービスからその上位のレジストリサービスに ドメインの管理が移管されていたこととが重なっため、
対策がとても取りづらく、弊社でも初の対応事例となりました。
課題が人を成長させるとは言いますが、 渦中にいるときはなかなか大変なものです(苦笑)。
今回の記事の買い戻し猶予期間などについては、 いざという時のために調べておくことをオススメします。
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