安いシステム開発会社の安さの秘密
クライアント:
「山本さんのところに出したのと同じ内容の開発の見積もりをお願いしたら、 もっと安くやってくれるところ見つけたよ。御社もっと勉強できないの?」
山本:
「嫌で~す(笑) ちなみにどんな感じの会社さんなんですか?」
クライアント:
「先日大手の○○からスピンアウトして、個人で独立起業したらしいんだよね。」
・・・
同じものなら安く買いたいのは人間の当然の心理ですね。
今回はその方法の1つをご紹介します。
<<コストの種類の数>>
まず、システム開発をする上で知っておいていただきたいのは、 かかるコストが2種類あると言う事です。
それは「初期コスト」と「運用コスト」です。
前者はシステムを作って動き出すまでにかかるコストで、 後者は動き出したシステムが問題無く動き続けるために必要なコストです。
他にも呼び方が色々ありますが、意味は一緒なので適当に読み替えてください。
で、この2種類の掛け合わせで安く見せる業者が結構多いです。
◎パターンその1 初期コストを安くし、運用コストで回収する方法
500万の案件で、初期コストを200万、運用コストを30万/月にします。 10ヶ月で回収、と言う感じです。
◎パターンその2 初期コスト0で、運用コストに全部上乗せする方法
200万の案件で、初期コストは0、運用コストを3.5万/月にします。 5年で回収、という感じです。
テクニックレベルの話ですし、 会社によっては資金繰りや税制面で有利な場合もありますので、 これらの方法自体に問題があるわけではありません。
ただ1点、この方法でリース会社を使う場合には気をつけてください。 ほとんどのリース会社の契約は途中で解約することができません。
つまり、システムが不要になったとしても、 支払いのキャンセルが法律上できない様になっています。
もう1つのテクニックも、ご紹介します。
<<新しく設立した会社を見つける>>
設立直後の会社の場合、実績作りの為に価格を下げている場合が多いです。 つまり、タイミングと相手さえ間違えなければ、合理的に安くできます。
それだけ。
注意点は、その会社がきちんと運用や保守をしてもらえるかどうか。 システムというのは、放っておけば必ず外的要因によって陳腐化します。
ですので、システムにはメンテナンスが必要です。
システムのメンテナンスには、新しい技術、新しいセキュリティ、 などの技術者のメンテナンスが前提になります。
つまり、あまりにコストを安くしてしまった場合、 技術者のメンテナンスができない、そして古い知識でメンテナンスする、 だからトラブルが発生する・・と言う悪い連鎖が起こってしまうのです。
この分岐点をきちんと把握した上でコストを出せているのかが、 いわゆる経営努力と呼ばれる部分なのでしょうね。
ドリームハイブで ISMS を取得したのもクライアント様に安心してもらうため、 個々人が MCTS などの資格を取得しているのも同じく安心してもらうためです。
ぶっちゃけ、信頼した人が信用に足る技術を持った技術者なのかどうかって、 技術者でない人が知る事はできないんですから。
※人間性は別ですよ
<<まとめ>>
クライアント:
「無理に安くしてもらうと言うことは、 トラブる確率が上がっちゃうってこと?」
山本:
「必ずしもそうとは限りませんが、 それを見抜くには相手以上の技量が必要と言うことですね。」
「技術者のメンテナンスにはお金や時間がかかるので、 弊社でお出しする見積もりにはその金額が乗っているとお考えください。」
クライアント:
「でも、世の中にはその時だけ安ければ良いという会社もあるじゃない。 山本さんところはそういうところと競争させられないの?」
山本:
「そもそもそういった会社さんは、弊社からお断りです(笑)」
・・・
良いものを安く買った、がなかなか見えにくい構造ですね。IT 業界って。
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